オスカル警部補とアンドレ巡査部長


今年はブログの更新をまめにしようと誓ったのに、怠惰に過ごした結果、1月も下旬ではないですか! いかん、いかん。


しかし、ネタがない。どうしましょう。


最近は、何のドラマを見るかで曜日を把握している感じです。NHKの「カー寝ション」はとりあえず欠かさず見ています。尾野真千子、良い女優ですね。ファニーフェイス(ぶっちゃけ不細工)というのでもなく、かといっていかにもな美貌でもない、つまり、外観の形容ではことたりない、あの表現しがたい「魅力」というもののの持ち主ではないかと思います。普通の綺麗な女優さんだったら、あのサザエさんパーマとか、絶対やらんでしょう、しかし、あえてやってのけて、さすがにサザエさんそのものなのだが、ちょっとコケットであることは失われていない。なにか、久しぶりに女優魂という言葉が浮かぶ女優さんだ。「火の魚」のときには普通に美人女優と見たけれど、経歴を調べると一筋縄ではいかない人のようだ。TSUTAYAで「真幸きくあらば」を探したが、全部貸し出し中になっていたところをみるに、やはり赤丸急上昇中な女優さんなのね、きっと。


ストロベリーナイト」の日が火曜日。姫川怜子ってどんだけステロタイプなってか、パロディもどきの名前を持つ女デカ、意外に竹内結子が頑張っている。男だけの、秩序第一の「組織」で指揮官にまで成り上がった女といえば、私にとってはオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェなのであるが、ま、現代のことゆえ男装の必然性がないので、姫川主任は普通にパンツスーツで、ヒール靴、でもエルメス? ぽく見える赤い鞄が高貴だわ〜、ま、エルメスじゃないと思うが。で、このドラマは、刑事たちのキャラクターの多彩さと深みが見所なのだが、ま、武田鉄矢とか、わかりやすいヒールとか諸々取りそろえられており豪華です。しかし、私がいちばん気になるのは、オスカルに仕えたアンドレならぬ、菊田の主任愛の行方なのだった。


オスカルを女として愛すことと、上司として愛すことと、けっこうアンドレ菊田くん、たいへんなんじゃないすか、今は良いとして。オスカルがアンドレの愛に気づいて両思いになったとしても、菊田に「あんた、私のこと好きなんでしょ」とか確認するわけにもいかず、あるいは「今宵私の寝所へ」とか命じられれば良いですよ、でも、さすがに現代ではそれはパワハラもしくはセクハラにあたるので、主任から言うことはないでしょう。となると、アンドレは、いつオスカル主任と性愛関係に至れるのか……非常に無駄な長い時間が流れそうで心配です(余計なお世話ですね)。あまりに長い時間が経過した後、ふと、自分の愛が、もはや男女の愛を超えた、一種の上司部下の有意義な共依存になってしまっていた、なんてこともあるのではないかと。主任の仕事上の苦悩に伴走し続け、その苦悩を共有しつづけてしまったせいで、主任に対し欲望できなくなってしまったが、セラピーは続けられる、そんなふたりになってしまいそうで、個人的には心配です。


アンドレ菊田の側では、自分の欲望と闘いつつも、恋人ではなくセラピストで満足しようと努め、そこに安住するだけで幸福だという充足感に慣れてしまったやさき、あるときオスカル主任のほうが、突如、愛に目覚めたら……そのとき、すでにセラピストとしてのアイデンティティとアティテュードしか機動しないアンドレ菊田は、女とした愛されたいオスカル主任を前に、デキナイという、悲劇というか喜劇というか、そんなことになっちゃうことがあると、思うのよね。


「ベルばら」で、2人が一線を越えられたのは、やはり、身分違いの恋=憧憬の力、故に起こる越境というか避けがたい主従関係の侵犯と、革命が間近に迫っている時間的拘束、そいういうもろもろの好条件があったからだと思うのだよ。今、等しくシトワイヤン(シトワイエンヌか)とシトワイヤンとなった姫川と菊田の場合、欲望をいつ発動し、いつそれに流されるのを可とするか、全部自分で決めなきゃいけなくて、かつ男女としては自由で平等な立場だから無理にでも今ある関係性を侵犯するのはお行儀悪いし、法と秩序と、あるいは良心とか他者(とまで言うのはドライすぎますが)の尊重に堅いふたりの場合、どちらも自分の欲望に正直になることを、相手に対して自制する可能性高いじゃん。


でも、続く過酷な仕事の中で共に行動する指揮官と部下、それが、いつしか傷つき悩む女と癒す男、患者とセラピスト(カウンセラー、精神科医)になってしまったとき、性愛はもう不可能なんじゃない? だって、セラピストはクライアントとできちゃいけないんだもん、でないと的確なセラピーができないから。


そうやって、定年まで結ばれないふたり、定年後も、老いた眉間に皺寄せて義憤を語り、無理な行動に走るオスカルと、それを宥め助けるアンドレの、麗しいのか麗しくないのか……どちらかというと喜劇的な場面を思い浮かべてしまう。


現実のドラマとは関係なく、そういう妄想のほうで楽しんでるのが「ストロベリーナイト」かなぁ。


by風花

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ストロベリーナイト (光文社文庫)

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つーかさ、なんで、勝手に借金の過払い取り戻しますとかの広告が出てんのよ! 私は、人助けのために弁護士探しただけだっつーのに、迷惑なんですけど!!! だからグーグルってむかつくんだよ。検索内容はプライバシーだっつーの! しばらく前は、ソーテルヌワインばかり検索してたのに、何日間か他人のために法律事務所検索したら、こうですから。腹立たしいにも程がある。